白い皿に並べたハードシェルタコス3つ。牛ひき肉、レタス、チェダーチーズ、角切りトマト、サワークリームが詰まり、奥に赤いサルサの器
テックスメックスとBBQ

家庭で作る本格ハードシェルタコス

地域
アメリカ(テックスメックス)
分量
12個分
公開

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パリッとしたU字形の皮に、スパイスの効いたひき肉、レタス、チーズ、トマト。日本で「タコス」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、この形ではないでしょうか。

実はこのハードシェルタコスは、メキシコではなくアメリカで生まれ育ったテックスメックス(アメリカ風メキシコ料理)です。

ハードシェルタコスとは

ハードシェルタコスは、コーントルティーヤをU字形に揚げた皮(タコシェル)に具を詰めるタコスです。スペイン語では「タコス・ドラドス(tacos dorados)」、つまり「黄金色のタコス」と呼ばれます。

アメリカで生まれた揚げたタコス

揚げてパリッとさせたタコスの記録は、1890年代のアメリカにまでさかのぼります。1914年にカリフォルニアで出版された料理書にも、揚げたタコスの作り方が載っています。

1940年代になると、トルティーヤをU字形に揚げるための器具が発明されます。ニューヨークでレストランを営んでいたオアハカ出身のフベンシオ・マルドナードは、1947年に「揚げタコスを作るための型」の特許を出願し、1950年に認められました。

タコベルが全米に広めた

ハードシェルタコスを全米に広めたのが、グレン・ベルです。1950年代半ば、ベルはカリフォルニア州サンバーナーディーノで、向かいの店でロドリゲス夫妻が売っていたタコス・ドラドスを手本に、シンプルにしたタコスを売り始めました。そして1962年、最初の「タコベル」を開店します。

1960年代、タコベルのハードシェルタコスは、多くのアメリカ人にとって初めて口にするメキシコ風の料理になりました。日本でおなじみの「ひき肉、レタス、チーズ」のタコスは、この流れをくむアメリカの味なのです。

スキレットのタコスミートと、レタス、チェダーチーズ、角切りトマト、サワークリーム、サルサの器、耐熱皿に立てたタコシェル

ハードシェルタコスのレシピ:材料(12個分)

タコスミート

  • 牛ひき肉450g
  • トマトペースト大さじ2(30g)
  • 水120ml

タコスシーズニング

  • チリパウダー(Amazon|楽天)大さじ1(7g)
  • クミンパウダー(Amazon|楽天)小さじ1(2g)
  • 塩小さじ1(6g)
  • スモークパプリカ(Amazon|楽天)小さじ1/2(1g)
  • 乾燥オレガノ(Amazon|楽天)小さじ1/2(0.5g)
  • オニオンパウダー(Amazon|楽天)小さじ1/2(1.5g)
  • 粗挽き黒こしょう(Amazon|楽天)小さじ1/2(1g)
  • コリアンダーパウダー(Amazon|楽天)小さじ1/4(0.5g)
  • ガーリックパウダー(Amazon|楽天)小さじ1/4(0.8g)
  • 赤唐辛子フレーク(Amazon|楽天)小さじ1/8(0.3g)
  • チポトレパウダー(Amazon)小さじ1/8(0.3g)

チポトレは、ハラペーニョを燻製にして乾燥させた唐辛子です。燻製の香りとほどよい辛さが加わります。手に入らなければカイエンペッパー小さじ1/8で代用できます。

コリアンダーは、葉をメキシコやアメリカでは「シラントロ」、日本では「パクチー」、中国料理では「香菜(シャンツァイ)」と呼ぶのと同じ植物で、コリアンダーパウダーはその種子を粉にしたものです。葉の強い香りとは違い、種子にはさわやかで甘い柑橘のような香りがあります。カレー粉の主な原料のひとつで、配合の中でも多くの割合を占めることが多く、インドや中東、中南米、ヨーロッパまで世界中の料理で使われています。

皮とトッピング

  • タコシェル(Amazon|楽天)12枚
  • レタス(せん切り)150g
  • チェダーチーズ(シュレッド)(Amazon|楽天)100g
  • トマト(1cm角)1個(150g)
  • サワークリーム大さじ4(60g)
  • サルサ(市販品でよい)(Amazon|楽天)100g

道具

  • フライパン:直径26cm前後
  • オーブンまたはオーブントースター

作り方

  1. シーズニングを混ぜる

    タコスシーズニングの材料をすべて小皿に混ぜておく。

  2. ひき肉を焼く

    フライパンを中火〜強火で熱し、牛ひき肉を平らに広げて入れる。2分ほどさわらずに焼いて焼き色をつけてから、木べらでほぐしながら赤い部分がなくなるまで炒める。

  3. 脂を捨てる

    出てきた脂をペーパータオルで吸い取り、大さじ1ほど残す。

  4. スパイスを炒める

    中火にしてシーズニングを加え、30秒ほど炒めて香りを出す。

  5. 煮詰める

    トマトペースト30gと水120mlを加えて混ぜ、煮立ったら弱火にして5分、汁けが少し残るくらいまで煮詰める。

  6. タコシェルを温める

    タコシェルを袋の表示どおりにオーブンかオーブントースターで温める(多くは160〜180℃で数分)。

  7. 具を詰める

    タコシェルにタコスミート、チーズ、レタス、トマトの順に詰め、サワークリームとサルサをのせる。

タコスミートは熱いうちにチーズの下に入れると、チーズが少し溶けてなじみます。具はシェルの半分くらいまでにすると、かじったときに割れにくくなります。好みでワカモレやピコ・デ・ガヨをのせてもおいしく食べられます。

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料理科学:ひき肉とスパイスの扱い方

ひき肉は広げてさわらない

ひき肉を入れてすぐにかき混ぜると、肉から出た水分がフライパンにたまり、肉は「焼ける」のではなく「煮える」状態になります。水がある間は温度がおよそ100℃から上がらないので、焼き色と香ばしさをつけるメイラード反応が進みません。

最初に平らに広げて2分さわらずに焼くのはこのためです。フライパンに接した面の水分が飛んで温度が上がり、しっかり焼き色がつきます。たくさん作るときは、一度に入れずに2回に分けて焼くと、温度が下がらずにうまく焼けます。

ひき肉の焼き色をつけるメイラード反応は、こちらの記事で詳しく解説しています。

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スパイスは脂で炒めてから

手順4で、水やトマトペーストより先にスパイスを脂で炒めているのには理由があります。唐辛子の辛み成分カプサイシンをはじめ、スパイスの香りや色の成分の多くは、水より油に溶けやすい性質をもっています。先に脂の中で温めると、香りが脂に移って全体に行き渡ります。

タコシェルを温め直す理由

市販のタコシェルは、袋を開けると空気中の湿気を吸って少しずつしんなりします。食べる前にオーブンで温めると、吸った水分が飛んでパリッとした食感が戻り、トウモロコシの香ばしい香りも立ちます。

メキシコのタコスとの違い

  • 皮:メキシコでタコスといえば、やわらかいコーントルティーヤで包むのが基本です。揚げたタコス・ドラドスもありますが、トルティーヤを巻いて揚げる形が多く見られます。
  • 具:メキシコではカルニタスやアル・パストールなど、煮込みや焼いた肉が主役です。アメリカのハードシェルタコスは、スパイスで味つけしたひき肉が定番です。
  • トッピング:メキシコでは玉ねぎ、シラントロ、サルサ、ライムのシンプルな組み合わせが基本です。アメリカではレタス、チーズ、トマト、サワークリームをたっぷりのせます。

メキシコの定番タコスの具、カルニタスはこちらで紹介しています。

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保存

  • タコスミート:冷蔵で3日、冷凍で1か月程度。温め直して使う
  • タコシェル:開封後は袋の口をしっかり閉じて湿気を防ぐ

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成したものです。